クリスマスが迫ってきました。街中にはキラキラしたイルミネーションが溢れ、聴こえてくる音楽もすっかりクリスマスムードです。

みなさんには、お気に入りのクリスマスソングはありますか??

今回はSynapseでオンラインサロン「#SOUL大学 ~正解の無い、フィーリングの美学~」を主宰する音楽家・音楽プロデューサーSWING-Oさんから、この時期に是非とも聴きたい珠玉の音楽を5曲ご紹介していただきます!

SWING-Oとは?

黒い現場にこの男あり! 70年代ソウルフレーヴァに日本人的感覚が融合したサウンドと圧倒的な鍵盤さばきでシーンに新風を吹き込むキーボーディスト/プロデューサー/トラックメイカー。2002年、バンド “ izanami ” を結成、JVCジャズフェスティバルに出演する他インディーズシーンで大きな話題となる。

その後ソロ活動をスタート、2015年現在までRHYMESTER、Chara、堂本剛、柴咲コウ、MISIA、AI、土屋アンナ、一青窈、近藤房之助、元ちとせ、佐藤タイジ、土岐麻子、清水翔太、Zeebra、防弾少年団、福原美穂、BENI、Tina、さかいゆう、KREVA、Nao Yoshioka、椎名純平、Azumi (wyolica)、篠原ともえ、YO-KING、AFRA、COMA-CHI、Flying Kids、JAY’ED、DJ KAWASAKI、Steph Pockets、Kyoto Jazz Massive、サイプレス上野、中江友梨(東京女子流)、YOSHIKA、當山みれい、Victor Davis、Ray Mann等への楽曲提供やプロデューサー、キーボーディストとして活動、参加したアルバムは150枚を超える。

この記事は、SWING-Oさんからオンラインサロン上に「クリスマス特別企画」として投稿いただいた内容の特別抜粋版となります。

それでは・・・どうぞ!

『クリスマスに聴きたい音楽あれこれ』

という訳で今回は#SOUL大学的な音楽紹介をしてみましょう。時期も時期です、多神教な日本が一神教を装う季節、そうクリスマスに聴きたい音楽紹介です。

どこもかしこもライトアップな様は個人的には辟易するものがあります。この、季節に寄って宗教色を変えることの出来る国日本、八百万の神々を受け入れることが出来る国日本については、つい自虐的に「自分がない」と言いがち言われがちですが、言い換えれば色んな異種なるものに「寛容な国」であるとも言える訳で、白黒つける勧善懲悪的なこれまでのアメリカ的なる思想よりも実は大人の思想なのではないか?と前向きに捉えつつ、ライトアップに喜ぶカップルたちをニヤニヤ見ながら、その実ジェラシーを感じつつ裏通りに逃げるSWING-Oです。

そんな俺がこの季節に、というか今何を聴きたいか?というのを、思いつくままあれやこれ紹介していこうと思います。

お待たせしました、#SOUL大学的にクリスマスシーズンにオススメな音楽紹介です。

01 “Ahamad Jamal with voices CRY YOUNG” 1967

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もう即座に浮かんだものですね。自分がナビゲーターをつとめるネットラジオ番組「ウタウピアノ」でも力説させて頂いてますが、ピアノを「うたわせる」ことにかけては世界一じゃないか?と思っている大好きなピアニスト、Ahmad Jamal。この方はまだ健在でして、1930年生まれの現在86歳ということになります。そんな氏が37歳くらいの折に、察するに「ちょっと頼まれ仕事」的に作った(作らされた?)アルバムではないかと。実際1962-4年頃は音楽も休業していたらしいですしね。

ある程度アンサンブルも決められていて、構成も決まっていて、コーラスの方々と組んだイージーリスニング的な仕上がり。でも、そんな中Ahmad Jamalのピアノは歌を邪魔することなく、でも確実にメロディックに響いてくるのです。そもそもピアノトリオアルバムでも、氏はテーマ中もソロ中もずっとメロディックに弾かれる方なので、「お仕事」だとしても、意外と楽しんでおやりになっているのでは?とも察することも出来ます。各自のスキルを全面に出さず、抑制された<雰囲気重視>とでもいったこの小曲集は、クリスマスにほんとピッタリです。何ならクリスマス以外に聴いてもクリスマスっぽい気分になってしまうアルバムではないかと。ポップアートなジャケットも秀逸な、素晴らしく心地よい作品ですね。

02 “A Capella 2” by The Singers Unlimited 1975

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聖歌というのは本来アカペラなわけですから、こうしたアカペラコーラスものを聴くだけで「クリスマス感」は演出される訳です。でも、その「感じ」だけでスルーするのは勿体ない。アカペラの凄い作品や凄いライブというのはまさに「人間力」のたまものです。これも話すと長くなるので超シンプルに話しますが、この「すごく心地よいハーモニー」というのは、現在音楽界で常識とされ、疑問視すらされていない「平均律」という調律では出せないものなのです。今はPCで簡単に音痴を修正出来る訳ですが、その定番の「平均律」で修正すればするほど「ハーモニー」が響かなくなるというジレンマが音楽界には存在しております。この素晴らしきSingers Unlimitedのハーモニーの心地よさが、J-POPのハーモニーで感じられないのは何故か??そんなことを考えながらこの心地よさに浸ってみるのもいいでしょう。

03 “Käes On Aeg” by Velly Joona’s 1980

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読み方がさっぱり分かりませんが、聴いていただければ瞭然です。そう、”Feel Like Making Love”のカバーです。しかもこれはエストニアという国のシンガーによるカバーです。バルト海沿岸の、スウェーデン、フィンランドの向い側の国、いわゆる北欧の国というのが現在の解釈でしょうが、これを録音されたのが1980年ということはまだソビエト連邦時代の録音ということです。そんな時代に、アメリカのヒット曲情報なんて入って来てたんだ?という驚きがありますよね。オリジナルRoberta Flackバージョンが1974年ですが、このカバーはほぼオリジナルに忠実なカバーです。ソ連の田舎に届くまでに6年かかったということなのか?などと想像しながら、独特の言語感の響きに身を委ねる「愛のためいき(邦題)」も心地よいでしょう。

04 “(Our Love) Don’t Throw It All Away by Andy Gibb 1978

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通称「ダメレコ」「ゴミレコ」、レコード屋でゴミのように扱われている100円で買えるレコードの中にも美しい音楽は沢山あります。これは「サタデーナイトフィーバー」(1977)などで有名なBee Gees兄弟の末弟のセカンドアルバムからの3枚目のシングル。兄たちの大活躍にそのまま便乗する形でデビューから4曲連続No.1になったりして、これはNo.1こそ逃しますが見事9位とトップ10入りは果たしております。次男のBarry Gibb書き下ろしのよく出来たメロウなバラード。この時点でまだ20歳。この後もヒット曲はいくつか出すんですが、1988年に30歳で急病で倒れてそのまま死去してしまいます。裏面の”One More Look At The Night”も爽やか名曲です。
 
若くしてスターになり、これから次なるステップへと行こうとしたときに亡くなってしまった1人の男がヒットさせた、兄が書いてくれた「愛をはなさないで(邦題)」を「ゴミレコ」から入手して聴きながらの聖夜、なんてのもオツではないでしょうか。

05 “Don’t Let Me Be Lonely Tonight” 近藤房之助 1987

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 最後はこれにしましょう。個人的にも交流をさせて頂いている、大好きな・・・知的で天の邪鬼な先輩(失礼m(_ _)m )のソロでの最初のシングルの裏面。オリジナルはJames Taylorの1972年の作品で、The Isley Brothersのカバーバージョン(1973年”3+3″収録) をベースにしたアレンジですね。いやぁ、、、いいですよ、心地いいですよ先輩。そんな房さん(と呼ばせてもらってます)、こんなに歌が素晴らしいんですが、そんな話を本人にすると

「俺はほんとはギタリストなんだ。歌う人がいないから仕方なく歌ってるんだよ」

なんて言っちゃうんです。聴けば分かるでしょうけど、これ、そんな付け焼き刃な歌じゃないですよ。喉〜鼻の響かせ方とかファルセットへの行き方とかハンパないっす。

 こんな日本の素晴らしきソウルシンガーによる「寂しい夜(邦題)」を聴きながら、ライトアップされた街を、はしゃぐカップルを、叫ぶ学生たちを横目に見ながら、裏通りの寂れたバーに入るのもいいでしょう。そんな男たち女たちが1人ずつ集まって、また新たなドラマが生まれたり、、、生まれなかったり、、、。

#SOUL大学へのご招待

#SOUL大学 ~正解の無い、フィーリングの美学~」では、こういった楽曲紹介記事の配信はもちろん、「SWING-Oの音楽現場から~時々、秘密をお教えします~」「音楽紹介Q&A~マメに答えます~」「SWING-O教授による講義〜面白い音楽のあるライフスタイル提案・検証〜」といった様々なコンテンツが日々更新されいます。

プロの音楽家とこういった形で、音楽談義ができる機会はとても貴重なものです。興味を持たれた方は是非オンラインサロンを覗いてみてください。

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