東京都知事選も後半戦にさしかかり、いよいよ本格的な舌戦が街々で繰り広げられる中、シナプス編集部では、2016/7/23(土)、都知事選候補者であるマック赤坂氏に密着取材を行った。

マック赤坂6-スマイル

マック赤坂と聞いて、どんなことを思い浮かべるだろうか。「10度20度30度!」「スマイルセラピー」「禁煙セラピー」「実は凄い実業家」「コスプレの政見放送」など、様々なイメージがあると思う。

私の最初のイメージも同様で、「ヤバい人」「宇宙人」「天使」・・・といったところ。しかし、パッと見は気が狂っているとしか思えないけれど、もしかしたらどの候補者よりも好きになれるかもしれないという、なんとなくの期待があった。

そんなイメージから始まった密着取材、果たしてマック赤坂とはどんな人間なのか。時系列に沿って回想を交えながら紹介していこうと思う。


13:00 中央区銀座四丁目交差点 演説

約束の時間、場所は銀座三越前。昼下がりの銀座は歩行者天国になっていて、そこには、グリーンのピチピチスパッツ、グリーンのTシャツ、グリーンのハチマキと、バーガンディのドライビングシューズ以外は全身グリーンに身を包むマック赤坂氏がいた。実は下着までグリーンという謎の徹底ぶりだという。

マック赤坂1

時に力強く、時にユーモアを交えながらリズミカルに演説を行う姿、そして具体的な数字を交えて自らの政策の正当性を訴える姿が印象的だ。

対立候補の学歴と自身の学歴を独自の視点で比較し、「だから私のほうが都知事に相応しい」と主張するなど、時折「おいおい、その内容は流石にまずいんじゃないの」ということも平気で話している。私はここで内容についての評価をするつもりはないが、とにかく清々しいの一言。こういう正直な人が一人くらいいてもいいじゃないか・・・と思った。

都議を区議・市議・村議と兼任させる形を取り、選挙費用と都議会議員報酬をカットする「代表兼任制導入」という政策の話、若者のメンタルサポートに焦点を当てた福祉政策の話・・・盛りだくさんである。記憶に残る演説であることは間違いない。これは一つの”ショー”なのかもしれない。「なんだろう…ファンになってしまいそう。」同行した編集部員がつぶやいている。

また、今回の選挙は無所属・無党派で出馬している旨も盛んに伝えている。マック赤坂氏といえばスマイル。しかし「スマイル党総裁のマック赤坂」として出馬してきた今までの選挙とは違い、今回は「スマイル党総裁」という冠をあえて廃している。

これには、「ある自治体の首長となる個人は、市民と向き合ったサーバント(奉仕人)でなければならない、少なくとも決して党に向いていてはならない。」という考えがあると言う。

政党内閣が組閣される議院内閣制を採用している国である以上、政党の力は絶大である。そしてそれは何も国政だけに限ったことではない。氏の「スマイル党総裁」という冠外しは、その状況に対する『国政と都政とは切り離して考えるべきであるし、少なくとも俺は、常に都民、あなた方の方を向いている』というメッセージであると同時に、もしかしたら何かもっと大きなものと戦おうとしているのではないかとも感じられる。なんだろう…ファンになってしまいそう。

唐突に氏の選挙カーから流れてきた中森明菜の「DESIRE」に合わせ、”ジュリ扇”を両手に踊る氏のダンスを見つめながらそんなことを考えていた。

マック赤坂3

14:00 中央区銀座四丁目交差点 小池百合子氏の応援

都知事選立候補者小池百合子氏が到着する。小池氏は、グリーンをイメージカラーにしている。スタッフも選挙カーも緑。「そうか。だから全身グリーンなんだ。」ハッとする。後ろから見たら、まるで小池百合子候補応援団長のような出で立ちだ。

「百合子!知事になってくれ!そして俺を副知事に迎えてくれ!」などと、ユーモアを交えて応援。「いやいや、あんたも都知事候補だろ!」とツッコミが聞こえてきそうなものだが、私には割と本気で言っているようにも聞こえた。というのも、マック赤坂氏は本気で思っていることを正直に伝える人だからだ。

マック赤坂2

小池氏を応援する理由として、打ち出している政策が自分に近いということの他に、メディア露出戦略があると言う。誰が決めたか知らないが、小池氏、増田氏、鳥越氏の”主要三候補”ばかりが大手メディアで取り上げられている。だったらその三候補の演説の地に乗り込み、その状況を利用するという氏の戦略なのだ。

小池氏が次の街頭演説の場所に移動するために居なくなった後も、30分ほどマック赤坂氏の演説は続き、幸福実現党の七海ひろこ候補と入れ替わる形で次の地、三田に移動。移動は残念ながら同行できないようだったので、我々は地下鉄を使い急いで三田に向かう。

17:30 三田納涼カーニバルにて 増田候補にお手紙を送る&”桃太郎”

田町駅前のルノアールにて、しばしの休憩をしていると、17:18、氏の秘書の方から「慶應義塾大学正門前です」とのLINEが入ったので急行する。田町・三田では、三田納涼カーニバルにて有権者にご挨拶と、自民党の増田寛也候補に手紙をお渡しするイベントがあると聞いていた。

マック赤坂5有権者とコミュニケーションを取るマック赤坂氏 慶応義塾大学正門前にて

街ゆく人々、学生とコミュニケーションを取りながら、カーニバルが行われている三田通りに下っていくのかと思いきや、にわかにマック赤坂氏の周りが騒がしくなり、あたりには緑の「増田」と書かれたチラシが溢れていく。

マック赤坂4(17:30自民党が擁立する増田寛也候補に手紙を渡すイベント)

マック赤坂氏は、これまでも増田氏以外の主要三候補と呼ばれる候補者二人にも手紙を送っている。今回増田候補に送った手紙も、同じものである。その内容は、本人がSNSでその一部を公開している。

東京都知事選挙の報道で主要3候補とそれ以外の候補とのメディアの取り扱いが極めて不平等である。これはそれ以外の候補にとり選挙戦が著しく妨害され、有権者に対してあたかも3候補の中から投票しなさいと思わせるような意図を感じます。

報道期間は社会の公器である以上報道の自由を標榜する前に公平な報道の義務があります。また法的にも選挙の自由妨害を禁止する公職選挙法違反であり、さらに法の下の平等を謳う憲法第11条違反である。

1.マスコミ各位におかれましては即刻この不平等報道を取りやめ全候補を平等に扱うようにお願いします。

2.この報道が取りやめにならない場合は即刻しかるべき取締機関に訴えます。

東京都知事選挙 候補者有志

責任者 マック赤坂

このマック氏が代表して行った行動に関して、「内容には全く同感だが送り先が違う」との声もあるようだが、それは違う。氏はこのような状況に見て見ぬふりをし、甘んじている”主要三候補”も多くのマスコミと共犯関係であると、異を唱えているのである。ああ全く。この、やり切る姿勢と行動力。お手紙というコミュニケーションツールを選択するセンス。好きになってしまいそうだ。

慶応義塾大学正門から三田通りに向かって歩いて行く道中、メガホン片手に演説を行うもう一人の候補者とエンカウント。

マック赤坂7

都知事選立候補者、谷山雄二朗(たにやまゆうじろう)氏である。彼は、慶応義塾大学経済学部出身、母校の目の前で演説をしていた。ここでは、同じ”泡沫候補”として、お互いがお互いを熱く応援、最後は熱い抱擁。これからの遊説後半戦、闘いぬくことを誓ったようだった。

ただ、この抱擁、歩道の真ん中で行われたため、迷惑そうな歩行者がいたことも事実である。その点、銀座での遊説中、聴衆がトラブルを起こさないように、また整列して聴けるようにロープを手早く張り、整備をしていた小池百合子陣営は流石だった。抱擁を見ながら、ここではそんなことを思う。

選挙用語の一つに「桃太郎」という言葉がある。立候補者が幟などを立て、挨拶をしながら街を練り歩くこと。桃太郎が犬猿雉を連れ鬼退治に向かう様に似ていることからこう呼ばれている。

しばらく往くと、そこは銀座同様ホコ天になっており、三田納涼カーニバル2016、大規模な祭が開催されている。三田通りは溢れんばかりの人である。

マック赤坂13

ただでさえキラキラしている紫のスパンコール帽にキラキラ光る物体(電池式)を乗せたものを被り、キラキラ棒(これも光る)を両手に持ち、いざ桃太郎行脚。

マック赤坂8

行脚は、時間をかけてゆっくり行われる。声掛け頂いた方にもそうでない人にも気さくに接するマック赤坂氏。わざとらしさが無いところが良い。

マック赤坂10

この写真に写っている水色半袖シャツの方は、マック赤坂氏の秘書を務める、込山洋(こみやまひろし)氏だ。渋谷ハチ公前喫煙所で365日間叫び続けた男として知られている。今回取材させて頂いている我々2人も喫煙者。込山氏の顔は当然知っている。むしろ、このタイミングで直接お話することができて、なんだか嬉しい。渋谷で「喫煙所を使ってくれてありがとう!」と叫ぶ活動を続けるうちに、喉にポリープが出来てしまい大きな声が出なくなってしまった込山氏。驚くほどかすれた小さな声で「東京都知事候補のマック赤坂です。東京都知事候補のマック赤坂です。」と繰り返す姿は、何かに取り憑かれたようだった。

マック赤坂12

それにしても、こんな出で立ちである。明らかに浮きまくっているのに、マック赤坂氏のコミュニケーションは不思議と自然だ。マック赤坂氏とコミュニケーションを取る人、そこには、何か大物国会議員を相手にするような恐縮した感じもなければ、選挙や政策のことを話そうとする真面目さもない。ただただスマイルなのである。これは割と嘘みたいだが本当のことだ。

マック赤坂11(警察官からも思わずスマイルがこぼれる)

後編では、自由報道協会における”主要三候補”以外の候補者による記者会見の様子と、マック赤坂氏への直接インタビューの様子をお送りする。

後編

上杉隆サロン「ニュースを読み解く力」
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