8月29日。作家で、元東京都知事の猪瀬直樹氏が主宰するオンラインサロン「猪瀬直樹の近現代を読む」のオフ会が行われた。
場所は都内にある猪瀬直樹氏のアトリエ。参加者は特別にそこに招待され、さまざまなテーマについて猪瀬氏を交えて語らうことができる。今回はその様子をお届けしたい。

ここでは書けないオフレコ話。

会の始まりは、毎回恒例の書籍プレゼント&サイン会だ。

本にサインをする猪瀬氏

今回のオフ会参加者限定プレゼント本は三冊。

・『日本システムの神話』(角川書店、2002年)
・『天皇の影法師』(新潮社、1987年)
・『ジミーの誕生日ーアメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」』(文藝春秋、2009年)

猪瀬氏のサイン本

サイン会といってもただサインをするだけではない。ひとつひとつの本について、時事問題と絡めたこぼれ話や出版秘話が猪瀬直樹氏から飛び出し、トークが展開されていく。例えば『天皇の影法師』にサインをしながら、今上天皇の生前退位問題についての意見が語られる、といった具合だ。

猪瀬氏のサイン本

 

全ての話は教養に繋がる。

一通りのサインが終わると「最近会った面白い人」の話題からトークが始まった。

オリバー君、トムジョーンズ、国際ネッシー探検隊などをプロデュースしたことで知られる日本を代表するプロデューサーで、自称「虚業家」の、康芳夫氏の名が猪瀬直樹氏から紹介された。そして、康芳夫氏と、三島由紀夫氏、石原慎太郎氏との関係など、面白おかしく話をしながら、「最近、こういう馬鹿みたいに面白い企画をやるプロデューサーいなくなっちゃったよな…」とこぼす。

話す猪瀬氏

正直ちょっと堅い印象がある猪瀬直樹氏だが、笑顔でネッシーやオリバー君の話をする姿を見て安心すると同時に、こんな話ができるのも、サロンオフ会ならではだと感じる。

康芳夫氏の話の中でも一番盛り上がったのが、沼正三の『家畜人ヤプー』の話題だ。『家畜人ヤプー』は、1956年から『奇譚クラブ』に連載され、康芳夫氏によって出版された長編SF・SM小説。後に石ノ森章太郎氏によって劇画化、さらに江川達也氏によって漫画化もされている。

「これは現代に残された教養本だよ。サロンメンバーだったら必ず読んでおかなきゃダメ。」と猪瀬直樹氏。

私は、猪瀬直樹氏の膨大な知識と取材経験、そこから導き出される問題解決のための仮説立案力に、大きな憧れを抱いている。当然、オススメされた本はその場でポチる。

幻冬舎アウトロー文庫から文庫版が出ている。熟読したい。

家畜人ヤプー

遅れてきたメンバーが揃ったところで、今回予定されていたオフ会の本題『2016年東京都知事選』についての話が始まる。内容については、あまりに”オフレコ話”すぎて、残念ながらここでは書くことができない。本当に、本当に猪瀬サロンならではのココだけ話なのだ。

皆さんにお伝えしても支障のない範囲で書かせていただくと、テーマは「小池百合子新都知事の選挙戦について」、「副都知事について」、「都議会について」などだ。どれもググって出てくるような薄い話ではなく、いきなり突っ込んだ話から始まる。突っ込んだ話から始めることができるのは、普段オンラインサロンの中で、お互いに知的好奇心を刺激し合いながら前提知識を共有しているメンバーだからこそである。

 

場所を移し、更に増すオフレコ感。

二次会は、近くのお店に入って、食事とお酒を交わしながら行われた。

アルコールが入ることで、コミュニケーションの濃密度はどんどんと高まっていく。オフ会のメインコンテンツは、もしかしたら二次会なのかもしれないと思うほどの、オフレコ度合いだ。

オフ会では、猪瀬直樹氏だからこその知見や情報を得られることはもちろん、参加者サロンメンバーの話を聞けるのも魅力のひとつだ。猪瀬作品に共感して集まっているメンバーお一人おひとり、それぞれがものすごく面白い話を持っている。医師の方、建築・不動産関係の方、コンサルタントの方、出版関係の方、その他、様々なご職業に就かれているメンバーのお話は本当に興味深く、猪瀬直樹氏も一人の作家として身を乗り出して聞き入っている。また、お酒の場で距離感近く話せるからこそ出てくる話というのもあるのだろう。毎回、場が温まりきった、もうすぐお開きだという時間になってくると、決まって最高のネタが誰かしらから放出され、議論に花が咲くのだ。

懇親会

 

猪瀬サロンはリアルな読書体験に近いのかもしれない。

猪瀬サロンのオフ会に参加させていただくと、まるで一冊の本を読んだ時のようにその時の自分にとって深く印象に残る言葉が見つかる。

今回印象の残った言葉は、二次会で築地市場移転問題について話されている中の「デマ情報に惑わされるな。問題の本質を見抜くための知識を身に付けないとダメだ。」という猪瀬直樹氏の言葉だ。サロンの中ではその「本質」を見抜くために必要な知識や、見抜く過程で用いられる思考や洞察の片鱗を、ライブで味わうことが出来る。

私はちょっと読み応えのあるようなブログ記事を読んで、何か知的な作業をしたかのような気になっている自分を恥じた。情報が溢れているインターネット時代だからこそ、ネットにはない過去の偉人たちが遺したような作品(=外部記憶)を読みこむことで、深い思考についていけるよう努力していきたいと思いを新たにした。

解説中の猪瀬氏

ぼくらシナプスが理想とする、濃密なライブ体験とコミュニケーションに触れられる猪瀬サロン。知的好奇心を刺激される場が欲しい方、氏の縦横無尽な知識と思考にダイブしてみたい方は、「猪瀬直樹の近現代を読む」を覗いてみてはいかがだろうか。

 

猪瀬直樹の「近現代を読む」
猪瀬直樹の「近現代を読む」
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