2017年4月23日、オンラインサロン『ケント白石の科学的写真術講座』によるイベント『ケント白石 & 井上浩輝による写真講評会 in Tokyo』が開催された。

代表作とも言える「青い池」が米国アップル社の広告に大きく採用され、同社と8年間という異例の長期独占契約を結ぶ写真家・ケント白石氏、世界180か国以上で出版され850万人の定期購読者をもつアメリカの自然科学雑誌「ナショナルジオグラフィック」が開催したフォトコンテントにおいて1位に輝いた写真家・井上浩輝氏。世界で活躍する2名から直接フィードバックが得られる大変プレミアムなイベントだ。この機会に日本全国から総勢100名を超える参加者が集まった。

「世界へ出よう」ケント氏からの熱いメッセージ

イベントの冒頭、ケント氏がサロンメンバーの数名を取り上げた。これらのメンバーは、それぞれ、ナショナルジオグラフィックのDaily Dozen選出、イギリスの全国紙「The Times」「The Daily Mirror」への掲載、2017 Sony World Photography AwardsのNature部門1位といった輝かしい成績をおさめている。

写真家としてのマインドセット

本編に移るとすぐに、一枚の写真がモニターに映し出された。

美栄町「クリスマスツリーの木」の写真である。大変美しいツリーを主役にした写真だが、その木へと続く道には人の足跡が写りこんでいる。ここで、ケント氏、井上氏が写真家のマナーについて警鐘を鳴らした。その理由の一つは、もちろん被写体としての景観を損ねることだが、それだけではない。

写真の地面を覆う雪の下には畑が広がっている。木へ近づくことは、他人の畑に無断で入ることであり、雪の下で育てている作物の収穫へも影響を与えてしまう愚かな行為だ。

話はさらに続く。撮影者の靴に付着した土に含まれるセンチュウは、一度畑へ侵入すると、急速に拡大してしまい、発生地ではその撲滅が困難な状況となるという。撮影地である美瑛では栽培専用の種芋が栽培されているが、出来心で畑に入ってしまうことで、景観だけでなく、その種芋にもダメージを与えてしまうことになるというのだ。

井上氏は、基本的なマナーを守ることは当然のこととした上で、写真家は被写体としている街に対し、ブランディング向上の責任を担う必要があると訴えかけた。そのためには撮影技術だけでなく、被写体となる街・地域への理解、そして人一倍の想像力が必要とされる。

「訴求ポイントは何ですか?」

先の話は、写真家として活動する上での正しいマインドセットを獲得するための一助となった。続いては、技術講評をメインとした受講生の写真レビューである。モニターに受講生の写真を映し出し、ケント氏、井上氏の考える構図、現像のポイントを解説した。

いくつか撮影・現像のヒントとなる発言をピックアップしたい。

「写真のデータを見ると撮ったのは10:56それだったらその時の色は…。」

「デジカメのセンサーって、被写体に緑色が多い時は迷うんですよね。色温度というよりは、色被り補整で、緑を入れてあげるといいんじゃないですか。」

「動物の毛の先端って透明だと思うんですよね。だから、色がついている部分に露出を合わせてしまうと色が飛んでしまうんです。なので、アンダーで撮る癖をつけた方がいいと思います。」

「(メインの被写体となる)傘より白いものがあったらいかんですよ。そっちに目がいっちゃいますもん。」

「三脚使ってますよね?もうちょっと絞りましょう。そうするともっともっと解像感が高くなります。」

2人が何度も口を揃えて指摘していたのは、「訴求ポイントをしっかり見せる」ということ。

何をカッコいいと感じたのか、どこに感動したのか、メインとなる被写体を大事にする。そして余計と感じた部分はばっさり切り捨てよう、と。そう言いながら、受講生の写真を大胆にトリミングしていく。

例えば、「威風堂々」と名付けられた桜の木の写真を講評した時のことだ。受講生の写真は木の根元から空も含めて、その景色全体を収めていた。しかし、井上氏が「僕なら…。」と前置きをして、「見た人に想像させましょう」と言いながらマウスを動かす。

井上氏は空の部分を大胆に「余白」として切り取ってみせた。そうすることで、桜の広がりの終わりを意識させず、見る者にその大きさを想像させるのだと言う。続いて、井上氏が解説を始めようとするところをケント氏が遮った。

「(井上氏が手をつける前に)どうやったらいいか、皆さんもイメージしてください。考えてくださいよ。」

このやり取りは繰り返され、徐々に井上氏の解説に頷く受講生が増えていく。

また、1枚の写真を巡ってはこんな一幕があった。ケント氏が先にモニターの前でトリミング箇所を指でさす。すると井上氏は全く別の場所を切り取った。

「あらそっち?ああ、そっちの方がいいね。井上ちゃんの勝ち。」

2人はときに厳しく、しかしある時はこのように即興性の溢れるやり取りを通じて、暖かい空気で講評を進めていった。

写真の講評は予定時刻いっぱいまで行われ「日本のアマチュアの方が世界に認められる日が来ることを願っています。」とケント氏が会を締めくくった。

『ケント白石の科学的写真術講座』会員募集中

オンラインサロン『ケント白石の科学的写真術講座』では、サロンメンバーが投稿した写真を、文章だけでなく、時には動画を用いて、ケント氏が講評を行なっていく。訴求ポイントの提案や、構図、現像技術だけでなく、自分を世界へ売り出すための戦略に至るまで、ポイントは多岐にわたる。時に辛口、しかし決して楽しむことを忘れない、愛を持ったコメントで受講生を奮い立たせてくれる。

なおケント氏は、受講生のレベルに関しては一切問わないということを明言している。

イベントの冒頭で紹介されたように世界で評価されている方もいるが、一方でオンラインサロン内には「超初心者のための検定試験」や「超初心者のためのスレッド」なども用意されており、はじめて買う拡張機材の相談や現像ソフトの初歩的な操作などについても質問もできる空気がつくられている。必要なのは、学びたいという意欲だけだ。

「経験だけで学ぶには人生は短すぎる」

http://blog.goo.ne.jp/chimaki-1014/e/a7c78eef1670beaf3f52537938fc5e53

是非、『ケント白石の科学的写真術講座』を通じて新たな世界への一歩を踏み出し、あなたの写真ライフを刺激的なものにしてもらいたい。

ケント白石の科学的写真術講座 - 世界に発信しよう
ケント白石の科学的写真術講座 - 世界に発信しよう
ケント白石の科学的写真術講座 - 世界に発信しよう
とにかく楽しんで、楽しく学ぶ!これが一番大切です。あとはちょっぴり、入会する勇気があれば大丈夫!一緒に楽しい仲間になって、人生をエン...