“ねぇ、君。五月のお茶会があったそうですよ。”

もちろん雪は降っていない。否、むしろ清々しい程に晴れた土曜日、「まきむぅの手乗り文芸部」のオーナーである牧村朝子氏は、作家・嶽本野ばら氏をゲストに迎えてお茶会を開催した。

まきむぅの手乗り文芸部

「まきむぅの手乗り文芸部」とは、文筆家・牧村朝子氏がオーナーを努めるスマホひとつで誰でも参加できる文芸部だ。もちろん、年齢制限などない。

オンライン上では、文芸部員同士「人間目線じゃない本」などの一風変わったテーマに沿ったブックレビューを投稿したり、或る文学ゲームに挑戦してみたり、1ヶ月に1度800字小説を発表してみたりと、様々な部活動が行われている。オフラインでは、作家の方をゲストに迎えたトークイベントや読書会、美術館巡りなどが計画されているようだ。

今回は記念すべき第1回目のゲストとして、複数の文芸部員から名前の挙がった嶽本野ばら氏をお迎えした。文芸部員の嶽本氏への並々ならぬ愛を受けて、牧村氏が直談判し、ようやく叶った豪華イベントである。(無論、牧村氏も嶽本氏の大ファンである。)

今回はそんなスペシャルなイベントの様子をレポートしていきたいと思う。

神保町に集う乙女たち

5月27日(土)、1902年創業の洋古書の老舗・北沢書店にて五月のお茶会が開催された。この北沢書店は、嶽本野ばら氏にとっても「ここの螺旋階段をのぼるときはいつもドキドキする」という程、憧れの書店だ。

そんな北沢書店の2階の一部がイベントスペースとしてリニューアルオープンするというこけら落としイベントとして、「まきむぅの手乗り文芸部」記念すべき第1回オフ会が開催された。

とても趣のあるこのスペースは、開場直後、すぐに可愛らしい格好をした乙女たちで埋め尽くされた。全員の背中に「乙女、三千円」という値札をつけたいとさえ考えるくらいには。

そう、今回のイベントには、ロリヰタファッションを身に纏った来場者が多かった。

そして会場の一角には「イベント開始時刻までの少しの時間さえも、来場者に楽しんでもらいたい」、そんな牧村氏の想いで、或るコーナーが設置されていた。

その名も「野ばらちゃんっぽいこと書いてみようのコーナー」。

ここで提出された作品は、嶽本氏本人に添削してもらうことができる。実はこのコーナー、一般参加者からはイベント開始直前に募集したのだが、オンラインサロン「まきむぅの手乗り文芸部」では先行して作品を募集していた。

「ねえ、君。」と想いを語ってもいいし、「○○せねばならぬのです。」と独自の美学を宣言してもいい。既存の文学作品を野ばらちゃん文体に書き換えてもいい。とにかく、なんか、野ばらちゃんっぽいことを書いて応募してみてね!

(引用:「まきむぅの手乗り文芸部」https://synapse.am/contents/monthly/makimu)

気になる添削の様子は後ほどお伝えするとしよう。

嶽本野ばら式文章教室

「じゃあ、みんなで野ばらちゃ〜んって呼んでみましょう。」

「せーのっ」

「「野ばらちゃ〜〜〜ん!」」

来場者による「野ばらちゃんコール」で登場した嶽本氏。その呼びかけに嶽本氏は「自分が死んだあとも、新しい読者に野ばらちゃんって呼んでもらえたら面白いよね。今も野ばらちゃんの他に野ばらさんとか、洗脳がひどい人の中には野ばらさまって呼ぶ人もいますが。」と、自身の読者の熱狂ぶりを指摘した。

今回のイベントのメインテーマは「文章教室」。
嶽本氏の文筆活動の極意について、牧村氏が質問を畳み掛ける。

プロットは書かない -通り魔の裏側-

「前回ご一緒させていただいたイベント、エスの文學世界で『プロットは書かない』と野ばらちゃんが仰っていたのが印象的でした。」

プロットとは文章の設計図。本文の執筆を開始する前に構想などを書き留めておくものだ。プロットを書かないという嶽本氏はどのようにして物語を紡いでいるのだろうか。

「まずはね、パソコンの前に座って窓を開けて、20文字設定にします。僕ね、横書きなんですよ。小説書く人って原稿用紙に書くみたいに縦書きで書く人が多いんだけど、僕はライター出身だからか横書きなの。そして、書き始めます。プロットをたてると自分で結末がわかっちゃう。それはつまらないし飽きちゃうでしょう。だからプロットは作らないんです。でも下調べをしたときに頭の中にはプロットができていますね。下調べはちゃんとしないとバレますよ。」

普段プロットは書かないという嶽本氏であるが、編集者などから出すように指示された場合は作成するそうだ。例えば、実際に通り魔を執筆した際はプロットを出したという。

「通り魔という作品は、貧しい派遣とかで食いつないでいる孤独な少年の話を書いてくれと言われて書いたものです。色々と派遣のことを調べて、縫製工場はめちゃめちゃ時給が安いと聞いたことがあるぞ、と思ったんです。そこでロリータメゾンのBABY(BABY,THE STARS SHINE BRIGHT)に取材しようとしました。実際に岐阜の工場を紹介してもらって見学しに行ったんです。やっぱり取材はするんですよ。その取材自体も大切なんだけど、現場に行く間とか帰路に、どんどん色んなことが自分の中でプロットとして太くなっていっているんだと思います。そういった過程で自然と物語が熟成されていくんです。」

今はネットの普及などにより、昔と比べると小説を書くこと自体楽になっている。しかし、嶽本氏は「実際に足を運んだものと調べただけのものの間には必ず差が出てしまう。大変だけれど、手間はかけられるならかけたほうがよいと思う。」と指摘する。

取材の裏側 -ハピネス/下妻物語-

「本当にね、ヤバい取材たくさんやってて。」

普段決して知ることのない小説執筆の裏側を匂わすワードの登場に、来場者は一斉に聞き耳を立てた。

「ハピネスの時は火葬場に潜入したりしました。火葬場に行ったことはあるけど、子どもの頃だったりしてあまり覚えていなかったので、取材の申し込みをしたんです。だけど、遺族のこともあり、TVなども含めて一切取材はお断りしていると言われました。…そりゃあそうだと思いました。」

そこで嶽本氏は「じゃあ、ゲリラしかない。」と思ったそうだ。
来場者からも驚きの声が上がる。

嶽本氏は今だから言えることだと前置きをして、当時自分は黒い服をたくさん持っていたため、私服で弔問風の格好をして他人の葬儀に紛れ込んでいたと暴露した。目的のためには手段を選ばず作品を紡いできた嶽本氏。他にも誰もが知るあの下妻物語の裏側についても赤裸々に語った。

「下妻のときは、現地のヤンキー集団がどういうルートを走るのか知りたかったから、夜中に土浦の繁華街まで行きました。スナックやキャバクラが並んでいる場所の客引きの人に『ヤンキーの女の子はいる?』って聞いて回ったんです。そうすると何故かどこも『ウチにはヤンキーなんかいないよ!』と怒るの。だから『じゃあ元ヤンとか友達がヤンキーの女の子はいる?とにかく僕はそういう女の子が好きなの!』と嘘をついて店に入ったんです。中に入るとすぐに下妻近辺の地図を出して『ヤンキーってどこを走るの?』って聞きました。」

それを聞き思わず爆笑する牧村氏と来場者たち。嶽本氏はキャバクラへの潜入によって、下妻ヤンキーのリアルな走るルートを手に入れたのだった。

牧村氏は「野ばらちゃんの話を聞いて、物書きじゃなくても、ネットを全部鵜呑みにしないこと、そして実際に見て、聞いて、感じて、物を知る大切さを学びました。」と改めて取材の大切さを噛み締めていた。

野ばらちゃん文体ワークショップ -文章の基本-

冒頭で紹介した「野ばらちゃんっぽいこと書いてみようのコーナー」。
ここでは来場者が思い思いに綴った「嶽本野ばら風文章」を、嶽本氏本人に添削してもらうことができる。

「野ばらちゃんの文章って本当に美しいでしょう?見た目も美しいし、音読しても美しいし。あの美しい文章を書くにはどうしたらいいんだろうって、やっぱり知りたいですよね。」

一ファンとして嶽本氏の文章の魅力を語る牧村氏。嶽本氏がイベント開始前に受け取った応募作品には、既に赤いチェックがこれでもかというくらいに書き込まれていた。応募作品と真摯に向き合っている証である。

まず、嶽本氏は文章を書く基本として三段論法を取り上げた。

三段論法とは、大前提と小前提から結論を導くというものである。全ての文章はこの論理を経ることでとてもわかりやすくなり、これが曖昧だと読み手が混乱してしまう。例えば、大前提「ソクラテスは人間である」、小前提「人間はみんな死ぬ」、結論「ソクラテスは死ぬ」というようなものが三段論法である。

しかし、自らの文章で三段論法ができているのか判断することはとても難しい。「お菓子を取られた」「僕は怒った」「彼を殴った」というようなものはほとんどの人が共感でき、三段論法が成り立っていると言って良いだろう。しかし、「彼が先にトイレへ行った」「僕は怒った」「彼を殴った」だと、「どうして先にトイレへ行かれると腹が立つの?」という疑問が出てくる。このように作者の中では当たり前だと思っていることで、三段論法が成立していないことは多々あるという。

しかし、嶽本氏は基本には三段論法を置かなくてはいけないが、それに縛られてばかりだと説明文みたいになってしまいつまらなくなると言う。

「僕の1番心惹かれる文章は、野口英世のお母さんの手紙なんです。字はひらがなやカタカナばかりで、思いっきり間違っていたりもするんだけど、切々と今自分がどれだけ寂しいかが書いてある。最後には『帰ってきてください、帰ってきてください』ということだけが繰り返し書いてあるんです。文章としては全然成立していないものなんだけど、それには僕らのような職業作家がどんなに頑張っても勝てない。」

嶽本氏は自身に送られてくるファンレターの中にも、同じように勝てないと感じる文章があるという。「勝てないというのは、僕だけのために書いてくれているから勝てない訳であって、その手紙が公のものとして優れているわけではない。でも、僕だけには突き刺さる文章があるんです。」そのため、どんなに文章が上手くても自分が「何のために、誰に、何を分かってほしいのか」ということを抑えていないとただの説明文になってしまうという。

それを聞いた牧村氏は「最初の話と繋がりますね。野ばらちゃんは伝えたいこと、ちゃんと何かを掴みに岐阜の縫製工場に行ったり、土浦のキャバクラに行って地図を広げたりしてその場に行くんですね。」と嶽本氏の一貫した執筆へのこだわりに感嘆の声を洩らした。

野ばらちゃん文体ワークショップ –添削-

このコーナーでは様々な応募作品に嶽本氏と牧村氏がコメントを述べた。
吉屋信子の美文調が取り入れられた作品について、型から入ることも大切だと指摘したり、或る作品の中のさりげない一言について、思わず牧村氏が「野ばらみ〜!」と声を出すシーンも見受けられた。

このコーナーでひときわ丁寧な添削を受けたのは、事前に作品を募集していた「まきむぅの手乗り文芸部」の部員による投稿であった。嶽本野ばら文体で書かれたその800字小説を嶽本氏は丁寧に、丁寧に、朗読していく。

「明晰夢」

僕の夢について、ですか。
夜見る方の。
はい。夢はよく見る方かもしれません
色はついていることも、覚えていないこともあります

印象的な夢をお答えするのは、なかなか難しいです

強いて言うなら、崖っぷちまで追い詰められることはあっても、転落死することはあり得ない。
それが、僕の夢のパターンといいますか、鉄則といっていいかもしれません。

夜、夢を見ている中で、どうにもこうにもならなくなった局面で、勝手に落ちてしまうようなのです。

目を閉じ、力を抜くと、狭い井戸のような筒の中を頭を下に落ち、落ちきると、気持ちの良い場所に寝転がることになります。
ふわふわとした重力のあまりない、一面白いお部屋のようで、赤いクッションが幾つか転がっています。
ここに着地できれば、大丈夫。危機は霧散し、記憶からも消されてしまいます。

このからくりは、僕にも皆目わかりませんが、この絶体絶命回避システムとでも名づけましょうか、ともあれ、大変便利なものです。

しかし、落ちる前のことは分からなくなってしまいます。大きな人たちに囲まれていたな、とか、言葉や視線でだったか腕力であったのか、ともかく脱力し動けなくなっていたとか、あるいは刃物がちらついていたり、断片的に、そのようなことがあったような気もしますが、人に話して説明できるほどの記憶はありません。

そうですね。悪夢が多いのかもしれません。幸せは夢の記憶も特にありません

しかし、こんなことを聞いて、どうされるおつもりですか?

・・・・あなたも、そんなことをおっしゃるのですね

確かに、現実の記憶も曖昧です。

どこまでが現実でどこからか夢か。
おっしゃるように、確かに僕にはわかりようがありませんが
それでいいのです。
そういうものを、明晰夢というようですけれど、
僕には明晰夢は見られません

そう、まくし立てないでいただけませんか

力が抜けてしまいます、もう目が開けていられなくなりそうです。

どうかお元気で。

さようなら。
(引用:「まきむぅの手乗り文芸部」https://synapse.am/contents/monthly/makimu)

「みなさん、今、割といいなと思ったはずです。でもみなさんがいいなと思ったのは僕の読み方のせいです。」

朗読を終えると同時に、ずばりと斬る嶽本氏。確かに、雰囲気が出るように作者の言いたいところを強調したり、沈黙を置いたりととても工夫された読み方であった。嶽本氏本人にこんなにも作品を熟読され、愛の籠った朗読を受けた作者は感無量であったはずだ。嶽本氏の手の中のその文章には、幾つもの番号が振られ細かい分析が行われている。そして、文章を並び替えて再び朗読を始めた。

僕の夢について、ですか。
しかしこんなことを聞いて、どうされるおつもりですか?
夜見る方の。
・・・・あなたも、そんなことをおっしゃるのですね
はい。夢はよく見る方かもしれません
色はついていることも、覚えていないこともあります
そう、まくし立てないでいただけませんか
印象的な夢をお答えするのは、なかなか難しいです

「世界の終わりという名の雑貨店みたいに、文章のあちこちにちりばめられていた相手のいる会話を、最初に敷き詰めてみました。夢がモチーフになっているので、不思議な雰囲気を出したくてこういう手法を取ったのだと思うけれど、それならもう出し惜しみせずに最初に詰め込んじゃうという手法が使えます。最初に詰め込んで、その世界に引きずり込んじゃう。最初に詰め込むと、キャッチなー言葉が最初にダンダンダンッと並ぶので、一気にその世界観が出来上がる。そうすることで最後まで読んでもらえます。5行読んでいいなあと思ったら、みんな後は読んじゃうから。」

それを聞いた牧村氏はこのコーナーを以下の言葉で締めくくった。
「小説だけじゃないかもしれませんね。人生出し惜しみすんなってことですね。そこまで待ってくれる人ばっかじゃないぞ、と。」

野ばらちゃんに質問コーナー –小説からファッション、恋愛まで-

このイベントでは、会場のあまりの熱気に急遽10分休憩を挟むこととなった。

10分休憩が終わると、待望の質問コーナーが始まった。
このコーナーは、事前に募集した質問とその場で出てきた質問で、とても和気藹々とした雰囲気となった。嶽本氏の作家人生そのものだけではなく、ファッションや恋愛に関する質問も多く飛び交った。そのうちのいくつかを抜粋して紹介してみよう。

「今日まで野ばらさんのことを全く知らないで来ました。作者にとって、こんな自分に初めに読んでほしい作品を教えてください。」という質問には、作家にもアーティストにも共通する「まずトライすべき作品とは何か」を答えた。

「作家じゃなくて音楽のアーティストにも言えるけど、初めての人にとって最も間違っていることは、ベスト盤を聴くこと。ベスト盤は全部聴いているファンのためのものなんです。なのでまずは1作目、もしくは最新作のどちらかを読んでほしいです。」

嶽本氏の場合、1作目の小説は『ミシン』、1作目のエッセイは『それいぬ—正しい乙女になるために』。最新作の小説は『通り魔』で、最新作のエッセイは『落花生』となる。エッセイと小説、興味のある方から読んでほしいと述べた。

また、「野ばら先生の書かれた小説『タイマ』の中で、小説家の主人公は“自分のために(自分を救うために)書けばいいのだ”という結論に達します。一方で、野ばら先生は一貫して、“君(読者)のために書く”と私達に語りかけてくださいます。どちらも、先生の素敵な文章であり、大好きなのですが、今書かれている執筆中の小説は、どちらの要素が強いですか?」という次回作に繋がる質問には思わず会場の注目が高まった。

「今日、これに答えなくちゃ!と思って来ました。だけど、途中でこれに答えると次の小説のネタばれになるぞと気付きました。だから無視しよう、否、やっぱり答えておくべきか、って悩んだりしました。これに関する答えは今後出されます。今三部作を書いていて、二部がもうすぐ書き終わります。新作に乞うご期待。」

次回作が自分のために書いているものなのか、読者のために書いているものなのか。その答えが明かされることはなかったが、次回作は三部作であるという朗報を聞き、来場者たちの表情が一層明るくなった。皆、新作が楽しみで仕方がない様子だ。

小説に関する質問の他に「今、野ばらちゃんの中ではどんなファッションが流行っていますか?」というようなファッションに関する質問も多く飛び交った。

「今はジャージが流行っています。今年の春夏は男子もスケスケ。わたしが今日着てるみたいな。でもロリータはスケスケは着ないよね。流行もあまり関係ないですね。あと、昔の体操服はかわいいですよね。たまにヤフオクとかで買うんですけど、そうすると『中身が分からないように発送します』とか…なんか嫌らしい文言が付いてくる…僕は自分で普通に着るだけなのに…」

ジャージが流行っているということで、当日も個性的なジャージを身に纏っていた嶽本氏。その個性的なジャージについても質問が飛び交う。

「今日のジャージのフリルは自分でつけたのですか?」

その質問に嶽本氏は「数年前にブランドを立ち上げる話になったんです。そのときにとりあえずアメリカから販売したけど、販売してしばらくして僕が逮捕されてフェードアウトになった。だから日本では販売されていない、自分のデザインしたブランドのものということになります。」と完全オリジナルの商品であることを公表した。詳しい当日の嶽本氏のファッションについては、この記事の最後に紹介したいと思う。

また、「下妻の桃子に感化されて服飾学生をやっています。小説や映画からインスピレーションを受けて自分のファッションに取り入れているものはありますか?」という嶽本氏のファッションと小説の関係性についても質問があった。

嶽本氏は「若い頃はそういうことがありました。主に刑事ドラマに感化されていました。中学生なのにロングコート着たり、金田一耕助の帽子みたいなの被ってみたり。太宰や芥川の髪型にしたりとかもあった。中学くらいは太宰みたいな七三にして、その後パンクの洗礼を受けてツンツンにしたりと、変でした。」と、自身の独特な感性の遷移について説明した。

最後には牧村氏が「恋をしても、自分の中に客観性を持つことは可能なのでしょうか」というなんとも乙女全開な質問を、是非嶽本氏に答えてほしい質問としてピックアップした。

そんな質問に嶽本氏は、「ある程度は可能じゃないかな。でも、みんな恋愛は美しいと思うじゃん、だからわざと客観視しないことがあると思う。僕含めて。恋愛に関して、身体目当てなのは世の中では悪いこととされているけれど、それも恋愛だろう、と僕は思う。恋って要は性欲なんです。」と真剣に答えながらも最後には笑いを取って、イベントは終了した。

急遽開催されたサイン会

予約で定員に達してしまった今回のトークイベント終了後、トークイベントに参加できなかった人も対象とした嶽本氏のサイン会が行われた。トークイベント終了直後、北沢書店には、頑是なき乙女たちが書店に入りきらない程の行列を作った。

差し出された著書に一冊一冊丁寧にサインを書いていく嶽本氏。
サインを書く傍らファンとの会話を楽しんだり、要望があればツーショット写真撮影にも応じていた。

牧村氏はサイン会にも立ち会っており、ファンの方々との会話を楽しんでいた。

スペシャルスナップ写真

質問コーナーからも、来場者が皆嶽本氏のファッションに釘付けになっていることがよくわかる。
そこで、今回嶽本氏の撮りおろし写真とともに着用ブランドを紹介していきたいと思う。

トップス:Rick Owens
ボトムス:NOVALAR’S(ノヴァラーズ)(嶽本氏によるオリジナルブランド)
ソックス:adidas
シューズ::Vivienne Westwood

Rick Owensのトップスは2枚を重ね着しており、今流行りのスケスケ素材である。
ボトムスもジャージにフリルがついた個性的なファッションとなっている。
シューズは勿論Vivienne Westwoodのロッキンホース(ギリー)。嶽本氏がゲストということで、今回のイベント来場者にもロッキンホースを着用した乙女が多く見受けられた。

サロンに投稿されるイベントの熱い感想

今回はオンラインサロン「まきむぅの手乗り文芸部」主催イベントであったため、多くのサロンメンバーが参加していた。

サロンには牧村氏や来場したサロンメンバーによるレポートが投稿されており、来場者以外も当日の雰囲気を味わうことができる。

また、牧村氏は早速第2回以降に呼んでほしいゲスト作家をサロンメンバーから募集し、今後のサロンイベントについて構想を始めている。今後のサロンイベントも見逃せないものになること間違いなしだろう。今回のようなイベントに関しては、サロンメンバーが増えるにつれて外部からの参加を制限する可能性もある。入会を考えている方には是非早めの入会をお勧めしたい。

まきむぅの 手乗り文芸部
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コンパクトで置き場所に困らない、手のひらサイズの文芸部です。スマホひとつで、おふとんからでも、読める、書ける、つながれる。 ●...